○ 基本

MusicPack 3on3 を利用したパック化MP3ファイルの基本的な作成手順です。
複数のMP3ファイルをパック化(Pack,無圧縮ZIP,無圧縮LHA)して1つのファイルにまとめます。

1.ファイルの選択

ドライブ・ディレクトリを開いてMP3ファイルの一覧を表示させます。



必要に応じて表示順をソートさせます。
例えば アルバム名 - トラック 順に表示させたい場合は、カラムボタンの [] をクリックして、その次に [Album] をクリックします。(同じ値の場合は現在の並び順を継承する為)

2.ドラッグ&ドロップ

[Pack] タブページを開き、パック化させるMP3ファイルを選択して右下のリストビューにドラッグ&ドロップします。



フレームスキャン後、パック処理対象となるファイルの一覧に追加されます。同時にキューシート(左下リストビュー)も作成されます。



更に別のファイルを続けて追加することも可能です。 また、他のドライブ・ディレクトリやパック化MP3内のファイルでも構いません。

3.オプション指定

[Pack] メニューから [Create Packed MP3] を選択してクリックします。



Pack,無圧縮ZIP,無圧縮LHA等のパック化のオプション設定をします。



設定は取り合えず上記のままでも問題ありません。

4.出力

オプション設定ダイアログで [OK] ボタンをクリックすると保存先指定のコモンダイアログが表示されます。



保存先のドライブ・ディレクトリを選択して、表示のファイル名で作成保存します。



パック化されたMP3ファイルが作成されます。(例では Yamatan Band - MusicPack 3on3.pac.mp3 というファイル名で作成)




  パック化処理イメージ


Yamatan Band - Null Pointer.mp3

Yamatan Band - Don't Use GOTO.mp3

Yamatan Band - Do While, Do Until.mp3

Yamatan Band - Permanent Loop.mp3

Yamatan Band - Stack Over Flow.mp3

Yamatan Band - Memory Dump.mp3

Yamatan Band - Debug & Recompile.mp3

Yamatan Band - Abnormal Termination.mp3

Yamatan Band - System Crash!.mp3

Yamatan Band - Null Pointer(Reprise).mp3



キューシート作成
パック化



MusicPack 3on3


Yamatan Band - MusicPack 3on3.pac.mp3
ID3v2タグ
 ・TPE1 : アーティスト名(Yamatan Band)
 ・TIT2 : タイトル(MusicPack 3on3)
 ・GEOB : キューシート(各曲の再生開始時間)
Packヘッダー
 ・各MP3ファイルの以下の情報を保持
 ・Packヘッダーからの相対先頭位置
 ・ファイル名/アーティスト名/タイトル
Yamatan Band - Null Pointer.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Don't Use GOTO.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Do While, Do Until.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Permanent Loop.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Stack Over Flow.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Memory Dump.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Debug & Recompile.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Abnormal Termination.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - System Crash!.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Null Pointer(Reprise).mp3
Packフッター


  ○ Entire

Entire(CDを丸ごと1つのMP3に変換)をキューシートを基にトラック間の位置(各曲の切れ目)を把握してパック化する手順です。
ライブ盤などトラック間が繋がって再生される音源の場合に利用すると便利です。 以下の例では Exact Audio Copy の [Copy Image & Create CUE Sheet] で作成したMP3ファイルとキューシートファイルからパック化を行なうものとして説明します。 より具体的な手順は後述の 実例 を参照してください。

1.ドラッグ&ドロップ

[Pack] タブページを開き、パック化させるMP3ファイルを選択して右下のリストビューにドラッグ&ドロップします。



フレームスキャン後、パック処理対象となるファイルの一覧に追加されます。



同時にキューシート(左下リストビュー)も作成されますが、このままでは使用しません。

2.キューシートのインポート

[Pack] メニューから [Cue Sheet File] - [Import] を選択してクリックします。



パック化するMP3ファイルに対応したキューシートファイルを選択して取り込みます。





左下のリストビューにキューシートの内容が展開されます。



キューシートによって設定されたファイル名(例では CDImage.pac.mp3)はオプション設定時に編集し直すので、 予めここで削除しておきます。 (項目の位置をクリックすれば編集可能な状態になります)

3.オプション指定

[Pack] メニューから [Create Packed MP3] を選択してクリックします。



パック化のオプション設定をします。



ここでは必ず [Format] の "Pack" を選択して、更に隣の "Entire (by Cue Sheet)" をチェックしてください。(必須)

4.出力

オプション設定ダイアログで [OK] ボタンをクリックすると保存先指定のコモンダイアログが表示されます。



保存先のドライブ・ディレクトリを選択して、表示のファイル名で作成保存します。



パック化されたMP3ファイルが作成されます。(例では Yamatan Band - MusicPack 3on3.pac.mp3 というファイル名で作成)



  パック化処理イメージ

CDImage.mp3.cue
PERFORMER "Yamatan Band"
TITLE "MusicPack 3on3"
FILE "CDImage.mp3" WAVE
  TRACK 01 AUDIO
    TITLE "Null Pointer"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 00:00:00
  TRACK 02 AUDIO
    TITLE "Don't Use GOTO"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 02:54:47
  TRACK 03 AUDIO
    TITLE "Do While, Do Until"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 07:11:27
  TRACK 04 AUDIO
    TITLE "Permanent Loop"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 09:26:53
  TRACK 05 AUDIO
    TITLE "Stack Over Flow"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 12:40:21
  TRACK 06 AUDIO
    TITLE "Memory Dump"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 16:20:13
  TRACK 07 AUDIO
    TITLE "Debug & Recompile"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 19:42:11
  TRACK 08 AUDIO
    TITLE "Abnormal Termination"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 24:11:55
  TRACK 09 AUDIO
    TITLE "System Crash!"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 27:44:02
  TRACK 10 AUDIO
    TITLE "Null Pointer(Reprise)"
    PERFORMER "Yamatan Band"
    INDEX 01 30:59:10
キューシートに
従って分割 









CDImage.mp3
( Entire )


  MusicPack 3on3     ↓ パック化
Yamatan Band - MusicPack 3on3.pac.mp3
ID3v2タグ
 ・TPE1 : アーティスト名(Yamatan Band)
 ・TIT2 : タイトル(MusicPack 3on3)
 ・GEOB : キューシート(各曲の再生開始時間)
Packヘッダー
 ・各MP3ファイルの以下の情報を保持
 ・Packヘッダーからの相対先頭位置
 ・ファイル名/アーティスト名/タイトル
Yamatan Band - Null Pointer.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Don't Use GOTO.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Do While, Do Until.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Permanent Loop.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Stack Over Flow.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Memory Dump.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Debug & Recompile.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Abnormal Termination.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - System Crash!.mp3
----------------------------------------
Yamatan Band - Null Pointer(Reprise).mp3
Packフッター


  ○ mpg123

Winampの標準のMP3デコーダ(in_mp3.dll)の代わりに in_mpg123.dll を使用すると、 LameでエンコードしたMP3ファイルをパック化した場合に1曲目しか再生されないという事象が発生します。 Lameのデフォルトオプションではタグ情報が書き込まれるように設定されている為、 先頭フレームにフレーム数やデータサイズなどの情報が保持されている Xingヘッダー というフレームが付加されます。



CD



Lame
Xingヘッダーを付加
MP3

in_mpg123.dll(改悪版) ではこの情報から正確なシーク時間を把握しているのですが、 元々 パック化MP3 のようなイレギュラーな形式は考慮されていないので、 先頭のフレームをファイル全体の Xingヘッダー と判断されてしまい、 この結果1曲目しか再生されなくなるという事象が発生します。

MP3

MP3

MP3






MP3
MP3
MP3



MP3
MP3
MP3
1曲目のみ認識

この事象への対処として、MusicPack 3on3 ではパック化MP3の作成時に各MP3のXingヘッダーを除去するオプションを用意しました。 また、同時にパック化MP3ファイル全体に対するXingヘッダーを付加するオプションも用意しました。

MP3

MP3

MP3







MP3
MP3
MP3
各曲のXingを除去




MP3
--------------
MP3
--------------
MP3
パック化MP3全体に
対するXingを付加  

詳しい作成手順は実例の mpg123で再生可能な形式でパック化 を参照してください。
ちなみにCDを丸ごと変換したEntireの場合は、元々MP3全体に対するXingヘッダーが付加されるので(上図右と同じ状態)、 こういう事象は発生しません。


  ○ VBR

VBRでエンコードしたMP3の場合、Winamp標準のMP3デコーダ(in_mp3.dll)では正確なシーク時間を認識できないという不具合(仕様?)があります。 これはVBRをパック化した場合も同様で、その結果各曲の頭出しが正確に行えないという不具合が発生します。
しかし、この問題は前述の mpg123 を利用することで解決可能です。

in_mp3.dll では
再生時間に対する
正確なシーク位置
を認識できない
in_mpg123.dll はXingから
算出したシーク時間により
再生時間に対する正確な
シーク位置を指定可能

詳しい作成手順は実例の VBRを頭出し可能な状態でパック化 を参照してください。


  ○ 実例

- 基本 -

・キューシート付きでパック化キューシートなしでパック化パック化MP3から曲単位で抽出


- Entire -

・トラック間が繋がって再生される音源一部のトラック間が繋がって再生される音源パック化MP3からメドレー曲として抽出


- 応用 -

・トラックが分けられていない場合トラックと曲の先頭がずれている場合隠しトラックを頭出し再生可能にする(方法1)隠しトラックを頭出し再生可能にする(方法2)mpg123で再生可能な形式でパック化VBRを頭出し可能な状態でパック化 要in_mpg123.dll


- その他 -

・パック化MP3ファイルを直接編集パック化MP3ファイル形式の変換無音フレームの追加